▲現在の六本木
▲現在の六本木
日本にピザが普及した歴史を振り返る時、イタリア系アメリカ人「ニコラス・ザペッティ(通称ニック)」の名を抜きに語ることはできないでしょう。
ニックは1930年代に世界を覆った恐慌時代、イタリア系アメリカ人としてニューヨークで生まれました。
1946年、海兵隊を除隊後、日本でGHQ(連合国軍総司令部の略)の仕事に関わったのち、様々なビジネスに携わり、そのひとつがアメリカンスタイルのピザレストランの経営。店の名前は「ニコラス」でした。
1956年(昭和31年)に「ニコラス」がオープンしたその場所は、当時まだその後の繁栄を想像すらできない、閑散とした住宅街の街「六本木」でした。
▲当時の「ニコラス横田店」店内
ニックの始めた「ニコラス」には数多くの顧客が訪れ、あっという間に店を拡張する勢いでした。
エリザベス・テーラーなどの有名な外国人や、上皇陛下となられた当時の皇太子とフィアンセの美智子様をはじめ、多くの著名人がピザを食べるために訪れ、その店名は復興を遂げる東京の話題の中心のひとつとなったほどです。
1959年(昭和34年)、ニコラス横田店(現在の「ニコラ横田本店」)がオープン。横田基地の兵隊が家族、恋人などを連れて連日のように訪れる名所となりました。
▲NICOLAのシーフードピザ
六本木の「ニコラス」はその後、他社に譲渡しましたが、ニックは日本名「ニコラ」として日本国籍を取得後、横田店を本店とし、店名も「ニコラ」に変えて、ピザの味を守り続けています。
ニコラ(旧ニコラス)のピザの味、それはニックが幼い頃より慣れ親しんだニューヨーク仕込みのものです。
生地をカリッと薄く焼き、スパイス&100%ゴーダチーズをたっぷり使用したその味は、多くの人々に親しまれ、 愛され続け、60余年の歳月を重ねるに至っています。
また、ピザのメニューは30種類のトッピングの組み合せで700の豊富なバリエーションからお選びいただけます。
▲NICOLAの各種メニュー
「ニコラ」の店舗は横田本店から浦和店に拡大しています。各店ではピザはもとより、オリジナルのニコラ特製ソーセージ、スペアリブ、ピクルス、ドレッシング、パスタなど各種メニューとコースをご用意しています。また、テイクアウトもお受けしています。
ぜひ、"六本木で生まれて、横田基地で育った日本初のピッツェリア"を堪能下さい。
▲「東京アンダーワールド」
ニコラス・ザペッティの生涯を中心に、戦後日本の闇社会やそこに関わる様々な人士が描かれた、秀逸なノンフィクション。(発行:角川文庫、著者:ロバート・ホワイティング)
▲冊子「The history of NICOLA」表紙
冊子「The history of NICOLA」には、「ニコラ」(旧「ニコラス」)とその創始者「ニック」にまつわる歴史が描かれています。▶詳しくは…
また、この冊子は各店舗にも置いておりますので、関心がおありの方は、是非 御一読いただければ幸いです。